百人一首(30)壬生忠岑(みぶのただみね)
2020.08.06
教室長ブログ
こんにちは、教室長のこうちです。
今年は、いつもと違う夏!
8月なのに学校があり、部活の大会もいつもどおりではありません。
夏休みも短く、どう過ごしていいかわからないとは思いますが、
できる範囲でやりたいことをやり、悔いのない夏をすごしてくださいね!
さて、本日の一首は・・・
(30)壬生忠岑
【有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし】
有明とは、夜明け月のこと。
つれなく見えしとは、冷淡だということ。
あかつきとは、夜明けのこと。
憂きものとは、つらいこと。
壬生忠岑がまだ若かった頃。
ある女性と恋仲だった壬生忠岑は、
頻繁に女性のところへ出かけていました。
ある晩の別れ際、
もう夜明け前の月が昇り、二人を照らしている薄暗いときでした。
「もう、あなたと会うことができなくなりました。」
女性から、冷たい一言を言われてしまいました。
訳を聞いても何も答えてはくれません。
有明の月が照らす中、壬生忠岑はとぼとぼと
帰るしかなかったのです。
それ以降、何度、彼女のもとを訪ねても
「もう会えません。」と断られてしまいます。
あとから聞いた話だと、彼女は縁談が決まり、
結婚してしまったのだそうです。
おじさんの年になった壬生忠岑は、
ふと有明の月を見るとこのときを思い出します。
「ああ、あの日の有明の月は、とても冷たくそっけなく見えた。
彼女にも冷たく帰され、私はひどくつらかった。
あの日から、私は夜明け前の時間が、憂鬱でつらいものになってしまったのだ・・・」
男のしみじみとしたつらさがにじみ出ていますね。
平安時代の和歌は、男性も女性も
表現の仕方が大きく、華やかに表現しているものが多いですが、
この一首は、違います。
しみじみと体にしみるような悲しみが
じわーっと伝わってくる一首になっています。
渋い男性が、バーで思い出話をしている・・・
そんな情景が浮かんできます。
今週の金曜日には、終業式!
もうすぐ夏休みが始まりますね!
といっても、2週間ほどのささやかな休みです。
学校からの宿題も多いと思いますが、
塾からも宿題を出しています!
少しでも勉強の内容を忘れないように
がんばりましょう!
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